iPhoneアプリ開発部の副部長を務める相良です。過去にいくつか作成したiPhoneアプリは、Cocos2d-xというゲーム作成専用のフレームワークを使用していたのですが、バージョンが2と1つ古いバージョンのため、最新バージョンであるバージョン3にするための備忘録を作成しました。
Androidでの開発環境もEclipseからAndroid Studioへ変わったのでこれも新たにインストールしてみます。

▼環境

MacBook Pro 13 Early 2015
※Windows環境では試していません。
※Windows環境の場合、Pythonのインストールや環境変数の設定などが必要。

▼ダウンロード

・Android Studio
(https://developer.android.com/studio/index.html )

・Android SDK
Android StudioのSDK Managerからインストールするが、個別にインストールする場合は以下のサイトからダウンロードする。
(https://developer.android.com/studio/index.html#downloads)

・Android NDK
Cococs2d-xの3.11を使用する場合、r10dが必要なので以下からダウンロード
(http://pnsurez.blogspot.jp/2015/07/download-android-ndk-tools.html)
※Androidアプリケーションの一部または全部をC/C++言語で開発するためのキット
※Cocos2d-xはC++で開発されているため必要

・Apache ant
(http://ant.apache.org/bindownload.cgi)

・Cocos2d-x
(http://cocos2d-x.org/download)

▼インストール

ダウンロードした環境を各フォルダに設置します。

・Android Studio
dmgファイルをダブルクリック後、Android Studioをアプリケーションフォルダにコピー

・Android SDK
起動後、[Tools] -> [Android] -> [SDK Manager]を起動し、SDKを追加インストール
※Jelly BeanかKitKat以上のSDKインストール
Launch Standalone SDK Managerのリンクを選択し、Android SDK Managerを起動
ExtraのAndroid Support Repository、Google Play Service、Google Repositoryをインストール

・Android NDK
解凍
$ chmod a+x android-ndk-r10d-darwin-x86_64.bin
$ ./android-ndk-r10d-darwin-x86_64.bin
後、以下のフォルダに設置
/Development/Android/ndk/
※一度最新版をAndroid Studioでダウンロードしてから上記、r10dを置き換える
※何故かAndroid StudioのProject StructureからNDKの場所を指定できないので

・Android SDKとAndroid NDKの場所指定
Android SDKとAndroid NDKの保存場所を変更するには、
[File] -> [Other Settings] -> [Default Project Structure]で、Project Structureで行う

・Apache ant
解凍後、以下のフォルダに設置
/Development/Apache/ant/

・Cocos2d-x
解凍後、以下のフォルダに設置
/Development/Cocos/cocos2d-x/
/Development/Cocs/cocos2d-x/setup.pyを実行
インストール中、NDKとSDK、antのインストールフォルダを指定する。

▼プロジェクト作成

ターミナルからコマンドを入力してプロジェクトを作成する。

$ cocos new プロジェクト名 -p パッケージ名 -l cpp -d インストールディレクトリ
例)
$ cocos new SampleProject -p jp.hoge.SampleProject -l cpp -d /Development/Study/Projects/

▼ビルド

プロジェクトとCocosライブラリのビルドを行う。

・プロジェクトのビルド
$ cocos compile -s プロジェクトのディレクトリ -p プラットフォーム(ios, android, mac, web, win32, linux)
例)
Android (Android Studio)
$ cocos compile -s /Development/Study/Project/SampleGame -p android –android-studio
iOS (XCode)
$ cocos compile -s /Development/Study/Project/SampleGame -p ios

▼AVDの設定

エミュレータ(AVD:Android Virtual Device)を設定して、起動する場合以下の設定をする。

・[Tool] -> [Android] -> [AVD Manager]で、「Anddoird Virtual Device Manager」を起動
・「Create Virtual Device…」ボタンを選択
・任意の端末を選択し、「Next」ボタンを選択
・「Other inamges」タブを選択し、API Lvel(Andoidバージョン)を選択
(この時、armeabi-v7aのwith Google APIsを選択)
・「Next」、「Finish」を選択

あとは、プロジェクト実行(Run)で追加したAVDを選択して実行する。

▼起動に失敗する場合

作成したプロジェクトをAndroid Studioで実行して失敗する場合に以下の手順で、AVDで作成したエミュレータ環境をx86からarmに変更します。
[Tool]->[Android]->[AVD Manager]で、エミュレータを編集

▼ビルド失敗

以下のエラーになってしまう場合、SDK Managerで、Android SDK Build -Tools 22.0.1をインストールする。


FAILURE: Build failed with an exception.

* What went wrong:
A problem occurred configuring project ‘:libcocos2dx’.
> failed to find Build Tools revision 22.0.1

▼雑記

とにかく面倒臭かったです。色々なツール群の集まりでもあるため、どれかのバージョンが対応していなかったりすると直ぐにビルドエラーになったり、AVDが起動しなかったりと。Cocos2d-X V3.11がツール群のバージョンを選んでしまうんで仕方ないのですが。

Cocos2d-Xを使用せず、Android Studio+Javaで作成するのであれば、すべてのツール群を最新版にすることで簡単に環境構築できるのかもしれません。。。

逆にiOSの開発環境であるXcodeでは、プロジェクトをビルドしてプロジェクトファイルをダブルクリックするだけと、簡単。とりあえず最新版のXcodeでも特に問題なかったです。

macOS Sierra + Xcode 8でどうなるかは流石に試していないが。